本・読書記録

時間のうつろいや空気感がすばらしい。これもクリスマス絵本だよ。

ゆうぐれの、ちょっと不安定な、でもなんだかほっとしたような気持ちになる。

そんな空気感にあふれた絵本でした。

tree_a『ゆうぐれ』の おはなし。

ゆうぐれどき。

おじいさんと男の子が、おさんぽに出かけます。

川でしずんでいく夕日をながめたあと、二人は町のほうへと歩きだします。

町ではいろんな人にすれちがいます。

子どもたちにおもちゃを買おうといそぐ人。

お夕飯の買い物と猫のごはんのことを考えている、おばさん。

仲間に何をもっていこうか考えている元かるわざし。

どっかの惑星から来た、なんだかあやしい人 笑

それぞれに目的をもち、歩いていく人々とすれちがいなら、

おじいさんと男の子は、空が暗くなり町の光があふれていくのを感じていました。

 

flower_l『ゆうぐれ』の みどころ、楽しむツボ

作者の ユリ・シュルヴィッツさんは、『よあけ』という絵本がとても有名です。

 

『よあけ』では夜から朝へと変わっていく景色を、ゆったりと表現していますが、

こちらは逆。

夕方のちょっと不安定な、さみしさと暖かさがまじりあったような時間を描いています。

だんだんと明るい世界が去っていって、暗くなるなあ・・・という少しの不安と、

夜ほど寒々しくはなくあたたかさを感じる人工の明かり。ネオン。

お店のウインドウにかざられたサンタさんの飾りや、クリスマス用のたくさんのモミの木が、

これからくるクリスマスへの期待を持たせてくれ、楽しい気持ちになります。

グラデーションのようにじわじわと移っていく景色を表現するのがすごく上手な方だなあ、と思いました。

この景色、明かりの向こうには、人々の何気ない暮らしがつまっているのかな。

いつもの景色、いつものゆうぐれ。

そこにある幸せ。

そんなことを感じさせてくれ、しずかにしずかに幸せになれる絵本です。

注意)絵本の表紙、見開きの写真は、出版社さんに許可をいただいて撮影、掲載しています。

転載等、一切お断りいたします。

 

 

 

ABOUT ME
元書店員 すず
1976年生まれ。 静岡県在住の主婦。男子2人の育児中です。 6年ほど書店で働いていました。 いろんな本を読んで、幸せな時間を増やしたいと思っています。