【中学生におすすめの本】梨木香歩さん『西の魔女が死んだ』【小説】

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今日紹介するのは、梨木香歩さん『西の魔女が死んだ』です。
学校という世界になじむのが辛かったり、
未来への不安などがあふれてくる・・・そんな夜に読みたくなる。
小学校高学年から中学生・高校生、社会人までおすすめしたい本です。

自分が楽に生きられる場所を求めたからといって、
後ろめたく思う必要はありませんよ。
サボテンは水の中に生える必要はないし、
蓮の花は空中では咲かない。
シロクマがハワイより北極で生きるほうを選んだからといって、
だれがシロクマを責めますか

『西の魔女が死んだ』p162
目次

あらすじ

中学に進んでまもなく、
どうしても学校へ足が向かなくなった少女まい。
季節が初夏へと移り変るひと月あまりを、まいは西の魔女のもとですごすことに。
西の魔女ことママのママ、つまり大好きなおばあちゃんから、
まいは魔女の手ほどきを受ける。
魔女修行の肝心かなめは、何でも自分で決める、ということだった。
喜びも希望も、もちろん幸せも……。
その後のまいの物語「渡りの一日」併録。
(Amazon内容紹介より)

梨木香歩さんについて

1959年生まれ。鹿児島県出身。同志社大学卒業。
絵本作家・児童文学作家・小説家。


『西の魔女が死んだ』の受賞歴など

  • 日本児童文学者協会新人賞
  • 新美南吉児童文学賞
  • 第44回小学館文学賞
ゆい

2008年には映画化されています♪

感想・心に残ったことば

難しい年代の人間関係、
これから自分はどうなっていくのか、
という未来への漠然とした不安、
死への恐怖・・・。

様々なことを考え、でもなかなか答えは見つからない。

そんな時に、一緒にくらしたおばあちゃん。

おばあちゃんの庭や周りの自然に触れ、
おばあちゃんの優しさやアドバイスに耳をかたむけるうちに、
まいの心は少しずつほぐれていきます。

いちばん大事なことは
自分で見ようとしたり、聞こうとする
意志の力ですよ。

『西の魔女が死んだ』p96

木々の緑、澄んだ空気に囲まれていると、
リラックスできます。
その伸びやかな空間で、縮こまっていた心をゆるめて。

時折怖い思いをしながら、
感情のままに憎悪に支配されそうになりながらも
少しずつ魔女の修行を進めるまい。

私は大人になった今でさえ、自分の感情を見つめるというのは
大変難しいと感じます。
まして、中学生という年代にとってどれほど大変なことだろうか。
まいと一緒に、感情に向き合う修行をしている気持ちになりました。

そして、「西の魔女の死」が訪れた時、
何かがかすかに変わったような気がしました。
まいと一緒に前へ進んでいけるような、そんな勇気をもらえる結末でした。

「死」というテーマがあり、
テーマだけをみると重い印象ですが、
透明で美しく、ふわりと軽やかな文章で読みやすいです。

まだまだ修行は続くけど、少しずつ前に進んでいけるといいな^^


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