『噓つきジェンガ』(辻村深月)読書感想レビュー

こんにちは。ゆいです。

今日読み終わったのは、こちら。
辻村深月さん『噓つきジェンガ』です。

目次

あらすじ・内容

「2020年のロマンス詐欺」
「五年目の受験詐欺」
「あの人のサロン詐欺」
という、詐欺にまつわる3つのお話。

コロナ禍でお金がなく、
ロマンス詐欺に手を染めてしまう大学生。

子どもの中学受験への不安から、
裏口入学まがいの誘いにお金を払ってしまう主婦。

とある漫画家の名前をかたり、
オンラインサロンでその漫画家になったふりをするアラサー女性。

騙す側・騙される側、それぞれの不安や心理描写が
巧みに描かれています。

感想

日常に潜む詐欺

まずは単純に、「詐欺はおそろしい」ということを感じました。

特に、ロマンス詐欺のお話では、
ふつうの大学生がちょっとしたきっかけで
ロマンス詐欺グループに取り入れられてしまう過程は、
とてもおそろしく感じました。

誰でも簡単に騙されてしまいそうな、危うさ。

自分は大丈夫、と思っていてもいつの間にか関わってしまう・・・
そんなことをまじまじと実感する話でした。

中学受験詐欺も、我が家は地方在住であまりぴんとこないけど、
母親として裏口入学的な機会に出会ってしまったら
きっと悩むだろうな・・・と。

オンラインサロンは最近はやりのようですが、
私はよく分からない世界。
それでも、ネット上で他人になりすませるというのは
あるんだろうな・・・。

いずれにせよ、いつの世も詐欺は存在し、
気をつけなければならないのですね。

主人公の不安と周りの人間の心ない発言

もうひとつ、とても印象的だったのが、
主人公の周りの人間の、心ない発言。

中学受験詐欺というトラブルに見舞われた主人公に、
夫は
「こんなに愚かだとは思わなかった」と言い放ちます。

オンラインサロン詐欺の主人公、紡(つむぎ)の母は
「あんたも、名前だけは『紡』なんて、
物作りに向いていそうな名前だったのにね』と何気なく言います。

みんなそれぞれに余裕がなくて、周りが見えていない。

そんな不安や葛藤につけこむ詐欺。

人間の心というものは何なんだろう・・・
と改めて思わずにはいられない作品でした。



テーマは詐欺ですが、
それぞれの結末はけして暗いものでもなく、
不安や葛藤の先にあるものを見せてくれているような気がします。

辻村さんの作品からは、人の弱さを認め、
それは誰にでも起こりうることであり、
皆その弱さを乗り越えていける強い気持ちを持てることを、いつも感じます。

”人生は続くんだ”という言葉がぴったりな、それぞれの結末でした。

以上、『噓つきジェンガ』の読了レビューでした。

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