【中学生におすすめの本】『with you』濱野京子さん【恋愛】

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今日ご紹介するのは、濱野京子さん著『with you』です。
中学生の主人公二人が、苦しい環境を乗り越えようとする
成長物語であり、お互いを思いやる姿にドキドキする恋愛小説です。

2021年 青少年読書感想文全国コンクール課題図書(中学校の部)

恋をするって
かっこわるいことかも
しれない

『with you』単行本帯より
目次

あらすじ

夜のランニング中、中学三年生の悠人は公園のブランコに座っている少女・朱音と出会う。
受験を控え、自分の存在意義を見出せないでいた悠人は、
何か事情を抱えていそうな朱音に惹かれていく。
朱音が母の介護と妹の世話をしている「ヤングケアラー」だと知った悠人は、
彼女のために何かしたいと思いはじめる。
(版元ドットコムより)

濱野京子さんについて

1956年生まれ。熊本県出身。
早稲田大学卒業。
児童文学作家。

代表作に
『天下無敵のお嬢さま!(1)けやき御殿のメリーさん』
『フュージョン』(JBBY賞受賞)
『トーキョー・クロスロード』(坪田譲治文学賞受賞)など。

感想・心にのこった言葉

ヤングケアラーという重いテーマもありますが、
純粋なひたむきさが印象的な小説でした。
先に、ヤングケアラーについて書いておきます。

ヤングケアラーとは?

法令上の定義はありませんが、一般に、
本来大人が担うと想定されている家事や家族の世話などを
日常的に行っている子どもとされています。

厚生労働省HPより

病気や障がいがある家族(大人)に代わって
家事や幼い兄弟の世話をしており、
そのために勉強や部活動に影響が出ている状況です。
厚生労働省のサイトに詳しくのっています。

子どもが子どもでいられる街に。~ヤングケアラーを支える社会を目指して~ 【厚生労働省】 (mhlw.go.jp)

子どもがするには負担が大きすぎることを
やらざるをえない状況です。
学校などが気づきにくかったり、
助けを求めることが恥ずかしいとか
そもそも助けを求めていいことなんだと知らなかったりします。

最近はニュースなどでも取り上げられることも
増えてきて福祉の手が入ることもあるようですが
まだまだ負担の重い子がたくさんいます。

感想

自分の存在意義を見出せない、
この思いはどうしたらうめられるのだろう。
もしも親の愛情だけはひとしく注がれていると思えたなら、
心の持ち方はもう少しちがっていたのだろうか。

『with you』p26

自分の存在意義に悩みながら、恋をしながら
受験勉強をしながら、
家族のために働きながら・・・
一生懸命にひた走る、主人公たちに共感できる小説でした。

ヤングケアラーというテーマもありますが、
主人公たちの恋する気持ちがとても素敵でした。

子どもから大人への途中段階。
体も脳もたくさんの変化があり、
とまどうことも多い時期。
加えて勉強、部活、人間関係・・・
本当に大変な時期だよなと思います。

誰かのために、何かできないだろうか。
そう思うことはカッコ悪いことでもなんでもない。
自分自身を大切にしながら、
他の誰かも大切にできたらいいな。

そんなことを考えた本でした。

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