発達障害・育児放棄に向き合う『リエゾン―こどものこころ診療所-』1巻のあらすじと見どころ

おっちょこちょいの研修医、遠野志保がこどもの心、そして自分自身に向き合う物語、
『リエゾンーこどものこころの診療所 1巻』。

発達障害、育児放棄などの問題を、児童精神科医の監修も受けながら丁寧に描かれています。

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目次

あらすじ

すぐに物をなくす、遅刻する、忘れ物をする、処方箋を間違える・・・。
研修医の遠野志保は、地方にある児童精神科の病院へ研修へと出向きます。

そこで出会った担当医の佐山先生、臨床心理士の向山和樹と共に、
志保は様々な困りごとを抱えた親子と向き合っていくことに。

発達障害、育児放棄・・・
そして、自分自身にも発達障害の可能性があることを知ることになります。

見どころ

発達障害については専門家の監修も入っており、とても丁寧に話が組み立てられています。
末尾には参考文献が17冊・参考論文が5本載っていました。
この1巻では自閉症スペクトラムの親子、育児放棄などをテーマに描かれています。

一番印象に残ったのは、志保自身も育児放棄を受けていたということを思い出す場面。
虐待を受けている子どもの診察に陪席した時、
志保は幼少期のことを思い出し具合が悪くなってしまいます。

そこで臨床心理士の向山が言う言葉。

辛い記憶があっても
人は無意識の内に忘れようとします

患者の診察がきっかけになって
そんな記憶の蓋が開いてしまうことが
よくあるんです


子どもに向き合う
ということは

自分に向き合うことにも
なりますから

『リエゾンーこどものこころの診療所ー 1巻』p39より

子どもに向き合うことは、自分の心と向き合うことにつながります。
それは、時に辛く大変なこともあるのです。

そんな辛さから逃げたくなる気持ちを持ちながらも、
目の前の患者さんと向き合い、成長していく志保の姿と
世間から理解されにくい発達障害を抱えこまっている人々を見ているうちに、
読者自身の心も軽くなっていくストーリーが、
見どころの一つとなっています。

感想

育児をしていると、
子どもが泣く姿にイライラすることがあったり、
言うことを聞かない、なんでこんなにわがままなんだろうと
思って怒ってしまいます。

うまくいかない育児が続き、
私は悪い母親だと自分を責めてしまったりすることがたくさんあります。

それは、もしかしたら「子ども時代に子どもらしく過ごせなかった自分」が
反応しているのかもしれません。

私自身、安心して過ごせなかった子ども時代。
親の代わりにいろんなことをして、家の中が平和であるように努力していました。
本当はそんなことをしたかった訳ではなかったんです。

この漫画を読んでいると、そんな気持ちを思い出したりもします。

でも、佐山先生の言葉はとてもやさしい。

大丈夫・・・

君のせいじゃない

大丈夫

『リエゾンーこどものこころの診療所ー 1巻』p54-55より

子どものころに言われたこと、環境。
それをすべて自分のせいだと思って
育ってしまう子もたくさんいます。

いい子にしていなければ家で生活できない、
お母さんを悲しませてしまう…
そんなことを無意識のうちに考え行動する子がいます。
発達障害があろうがなかろうが、たくさんいます。
そのことで大人になってからも苦しむことがあります。

でも。
それは、その子のせいじゃない。
佐山先生は、志保に
「君のせいじゃない」と
やさしく言うのです。

また、発達障害が疑われ、
これからどうやって生きていけばよいのか
苦しむ志保にかける言葉がグッときます。

君にしか
できないこともある

自分が痛みを抱えているからこそ
寄り添える人達がいる

良いも悪いもある・・・
だから僕は発達障害を
凸凹と言っているんです。

あなたの凸凹にぴったるハマる
生き方が
必ず
あるはずです

『リエゾンーこどものこころの診療所ー 1巻』p52より

この本には、子どもの発達障害が理解できず
苦しむ親も出てきます。

うちの子も発達障害ではありませんが
「個性的な子」
「子育てが大変な子」
と、小児科医に言われました。

その時に
「子どもの見ている世界」を分かっていきましょう、と
教えてもらいました。

発達障害を持っている人たちの見ている、
感じている世界は私とは違うもの。
一般の人とは違うものでしょう。
だから分かりにくい。
でも、そこを丁寧に見ていくことで、
その子の持っている特性や困っていることが分かってきます。

同じように発達障害がある、育児放棄された志保のような大人には、
きっと発達障害のある人たちが困っていることや
気持ちがわかるんじゃないかな。

もちろん、同じようにみえてもそれぞれの環境は違います。
だけど、その時に感じていた辛さ、悲しさ、寂しさはきっと分かる。
だからこそできることがあるんだと思っています。

100%共感、理解はできないかもしれないですけどね。

表紙は佐山先生^^『リエゾンーこどものこころの診療所ー』1巻:
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最後に

テーマとしては重いのですが、基本前向きで明るい志保と、
ちょっとおとぼけな感じの佐山先生に、
時おりふっと和むことができました。
明るく透明感のある絵にも助けられ、
私自身の心も少し軽くなった1巻。
2巻は9月上旬発売予定です。
楽しみだな^^

以上、あらすじと見どころ、感想でした。

『リエゾンーこどものこころの診療所ー 1』

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